高等学校(全日制・定時制・通信制)
全日高・定時高・通信高…今の時代、高校ひとつをとってみても色んなものが存在します。単なる校風の違いだけでなく、卒業するための条件、時間割などシステムの違いにも注意が必要になります。このため一斉に色々な学校へ資料請求して、パンフレットを読み比べるのはすごく大変な作業になってしまいがち…。
そこで最初にTOBガイドでは、高校をざっくりと3つのタイプに分けて解説しています。まずはそれぞれの大まかな特徴をつかんでいきましょう。
全日制高校【3学年制】
もっとも一般的な高校です。前身である義務教育=小中学校の特徴を色濃く引き継いでいます。1年間の成績次第で次の学年に進級できるかどうかが決まり、1年生⇒2年生⇒3年生と3学年を経て卒業することから「学年制」と呼ばれています。
かつて学年制では、進級できなかった人は「留年生」としてゼロからまた同じ学年をやり直すか、「退学生」として学校から去るか、どちらかを選ぶしかありませんでした。しかし近年では進級に届かなかった分の成績を、通信高校や高卒認定で利用できる「単位」に置き換える「単位証明」が行われるようになりました。
この制度によって全日高校で進級できなかった人も、今まで過ごした時間を無駄にすることなく、通信高校への転編入・高卒認定試験の受験などに進路を変更できるようになりました。
進級できなくなりそうでも、あわてず柔軟に対応しましょう。
全日高校は「学年制」という仕組みや、校舎・クラスの雰囲気などから一見すると小中学校と似ているものの、成績によっては進級できない場合もあるのが注意点です。ですが今の時代、進級できなくても、留年や退学を防ぐ道はたくさん用意されているので、そうした知識も覚えておきましょう。
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定時制高校【4学年制 or 74単位制】
全日高校の時間割を遅め(夜間など)にずらした高校です。もともとは「昼間働く若者にも利用できる学校を」という理由で作られただけあって「高価な制服や教材は使用しない」「学生に自立を求める」といった傾向が見られます。このため学費がリーズナブルな反面、出席・素行・学力などについて一定の自己管理が要求される場面も出てきます。
良くも悪くも「自主性」が求められるところに注意しましょう。
定時制高校も1~4年生までの年間カリキュラムをこなすことで卒業できる「学年制」をベースにしています。ですが年間カリキュラムとは別に用意された「提出課題・単位認定試験」をクリアすることで単位が取得できる「単位制」を組み合わせて、本来なら4年通わないといけないところを、3年間で卒業できるようにした「定通併修(ていつうへいしゅう)コース」などを設けていることも多いです。
また、定時制と言えば夜間学校のイメージですが、近年では朝~夕の1部(全日)・昼~夕の2部・夕~夜の3部にコースを分けた「3部制」のかたちをとる学校も増えてきています。
通信制高校【74単位制】
全日・定時と比べて「絶対に通学しないといけない日」が少ない高校です。大半の学校では年に3~30日程度の通学が相場となっていますが、代わりに相当量の「提出課題・単位認定試験」をクリアする必要があります。このように通信高は、全日・定時のような「学年制」を採用せず、どんなペースであれ「3年以上の在籍 ・74単位の取得」を満たした時点で卒業できる「単位制」のみを採用しています。
体調・忙しさにムラがある生活にもある程度は対応できます。
また、通信高校と言えば自学自習のイメージですが、近年では「全日や定時には通いたくないけど、通学の実感は味わいたい」「ある程度は外に出る習慣を作りたい」といった声を受け、学習を行うための施設(キャンパス)に週何回か通学して集団授業を受けることのできる「通学型コース」を設けている学校も増えてきています。
さらに学校によっては、生徒の家の近くにある学習塾などを利用することで勉強面のサポートを受ける「サポート校」を採用しているところもあります。これは学校が直営で設置する「分校」とは違い、学校とは別の会社が運営する予備校のようなものです。サポート校を利用する場合、学校の学費とは別に、サポート校の利用料もかかるので注意しておきましょう。
まとめ
- ● 全日は小中学校に近いけど、進級できないこともある。
- ● 進級のピンチは、通信への転編入や高卒認定で対応可!
- ● 定時は働く人にとって都合いい仕組みになっている。
- ● 定時は学費が安いが過保護ではない。自己管理が必要!
- ● 通信は学年に縛られないのでマイペースに取り組める。
- ● 通信は通学が少ない代わりに課題が多めで試験もある。
- ● サポート校の利用はコストが高いが、安定性も高い。
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