D.Hさん(2023年卒塾)
はじめに
私の名前に関してはD.Hとしておきます。現在は放送大学で全科履修生として学びを進めている最中です。資格を取得したり、専門性を深めたりといった学術的な知識、及び作法の学習と、学歴そのものの獲得が現在の主眼ですが、通信制大学という時間的な余暇が生じやすい特性も生かして様々な地域を旅したり、他者と関わったりと、私にとって居心地良く過ごせる「社会」との距離感や関わり方を探っていくことができないかと模索している最中です。
おおむね3つ程の項に分けてtob塾との関わりや、得られたこと、特徴について記していこうと思います。
①tob塾とつながるまでの経緯
ある場所での長期的なパワハラにより事後的にうつ病、不安障害の診断をされました。そこから年単位での引きこもり状態が続き療養する期間がありました。次第に興味のある映画などを鑑賞するために外出頻度を増やしたりと、徐々に体調を回復させていったという次第です。
元々進学志向はあったものの、パワハラ期と重なっていたこともあり、機会を逃しているような状況でした。
体調がある程度回復し、改めて大学進学への志向が生まれたのですが、今思うと年齢を経てからの進学ということもあり、やたら「学歴」のラベリングにこだわっていたように思います。
同時に自分が今の体調を鑑みて実際にできることと、「高すぎる理想」とのギャップを把握しようとせずに、なおかつ突発的な学習を散発的に行うといった非効率的な状態が続いていたように回想します。
また学習を進めようとしていくなかで、予備校という選択肢も検討はしたものの、通常の予備校の均質的な指導方針や、年齢的に多くの在塾生とは異なるバックグラウンドを有することへの不安、またそうした事柄とも関係した社交そのものへの不安を感じていました。
そんな中で、知り合いの方からの評判も聞き、学び直しなど個々の学習段階に応じた指導が受けられるtob塾への入塾を決めました。
②通塾を通して得られたもの
通塾していた期間そのものは短かったので、そこまで詳細に学習や指導の傾向などについて記すことはできないのですが、通塾時に学んだことの一つとして、勉強のスケジュールの立て方や、日々の過ごし方(生活習慣など)に関することがありました。
そもそも高校卒業後何年も経っており、なおかつ体調的にも現役生と比べるとできないことも多かったため、まずは基礎的なスケジュールや勉強習慣などについて把握するという作業を行ったと記憶します。
また、科目毎の学習方針などを建てていく作業を行えていなかったため、そうした作業を共同で行えた点は今でも生かされているところがあります。
例えば行った勉強などのタスクの可視化に関してだと、色分けし塗りつぶすことにより、どれくらい達成できたかを視覚的に把握しやすくするという方法について教わりました。
私の場合現在でも体調にムラがあるのですが、学んだことを応用し、体調の状況や、タスク量や時間などを記録してみる等様々な形に役立てています。
また何より少人数指導で、なおかつ複数科目を柔軟に切り替えることができるというのは基本的ですが大きなメリットとして挙げられると思います。
③スタンスの新規性
例えば、不登校というラベリングを例に取ると、社会的なネガティブイメージはこの十年程の長期的なスパンで見れば、ポジティブに塗り替えられてきたといえる側面があると思います。他にも社会全体の変化により、以前よりもネガティブに捉えられにくくなったあり方は多くあると考えます。
しかし、社会全体の傾向として、個人の「能力」を生かして、二分的な成功か失敗か(勝ちか負けか)に分けようという規範は、依然として日本社会に色濃くあるように考えます。
こうした価値観はしばしば、「個人」の能力に基づいて社会的な地位や権力の分配が行われるべきというメリトクラシー(能力主義)として現れることがあります。一見問題のないようにも思われることがあるメリトクラシーは、様々な問題点が指摘されており、一つは社会や環境といった「個人」の努力だけではどうすることもできない条件を考慮しない傾向があることが挙げられます。
また、こういった勝ち負け的な判断基準は、受験や資格、学校の定期試験など様々な場面で遭遇することがあると思います。例えば、進学志向の予備校などでは、どこかしらの進学先への受験と、「合格」を勝ち取ることこそがゴールであるという前提があります。
その点を見てみると、tob塾は公式サイトの方針項にも書いてあるとおり、社会性やつながりの獲得、イベントなど軽視されがちだが非常に重要な経験の獲得を目指しうる点に大きな特徴があるように考えます。
私のようにいわゆる「ストレートな進学」という選択をしているタイプではない者、特に進学が必ずしも最終目的ではない場合(そもそもそれは多くの人にとっても言えることのはずだが)を包括する観点は、中々他の塾や予備校には見られない、この塾の大きな特徴として挙げられると思います。
tob塾は、一人一人の在り方や状況に合わせて柔軟に進路を見つめ直したり、新たな目標を見つけるという作業を共同で行うことができる塾として、非常に魅力のある場所であると考えます。
将来の進路に悩んでいたり、そのための手助けを得てみたいと考えている方にもおすすめします。
スタッフより
D.Hさんはいつも自分の状態と、塾に行く目的をしっかり考えながら進まれていたように思います。それゆえに、塾を卒業するのもすごく早く、その後も自分と向き合いながら一歩一歩進めているんだろうなと振り返ります。個人個人のそれぞれに沿おうとすればするほど、外からは「TOB塾は何をしてくれるのかよく分からない」と見えてしまうようで、本質も外側も、一方も他方も同じように評価されることが難しいのは社会の常ですし、社会でなくても個の中でもどうようかもしれません。そういった難しさを学びつつ、最適な立ち位置を見つけられることを祈って。お互い頑張っていきましょう。(山口)


