設立ごろと2023年ごろの不登校・中退界隈の変化

この10年で、不登校や高校中退を取り巻く環境は劇的に変化していることを感じます。特に、2020年からのコロナの影響でその変化はかなり加速したように思います。

そのあたりについて、イメージをまとめてみようと思います。

(new-lookは主に高校年次から、中学生、ハイティーンがボリューム層ですので、そのあたりをイメージしながらの記事になります。なお、小学生年次の取り組みは問い合わせなど多くなっていると聞いています。)

【2013年ごろの不登校生や高校中退者の選択肢イメージ(※画像参照)】

【2013年ごろの運営や本人の難しさ】

・「中退したら人生終わり」の情報があふれていた時代なので、中退や不登校へのイメージやまなざしが厳しかった。そのため動き出すのが難しく本人も「自分がダメな奴だ」と思いこんでいる人も多かった。

・「中退や不登校の先輩」の話を聞く機会もなく、他者の経験を共有できるようなつながりが少ない。もちろん普通の塾のような同級生などからの紹介などは無いため、情報を掴んだ方から問い合わせをいただく形で、毎年塾生がどれぐらい来てくれるのかの不安も大きかった。

・平日昼間に利用できる施設もまだまだ少ないため、選択肢も少なく自宅の近くにない場合も多くかった。

【2023年ごろの不登校生や高校中退者の選択肢イメージ(※画像参照)】

複雑になったからこそ、運営的にも本人的にもしっかり考えないといけない状況になってきています。それっぽい感じで流されると運営は続けられなくなるし、本人はお金と時間が奪われる状況になりやすくなっています。

【 2023年ごろの運営の難しさ】

・競合も増え、行政側の取り組みも多くなっている。

・通信制高校の一般化と中学部の設立が多い。
 → 高卒認定「資格」<高校卒業「学歴」。学歴への圧倒的信頼。

・家計の経済的状況の悪化&通信制高校の学費高騰で「通信との併用」から「通信のため卒塾(通信で上手くいかなければ改めて相談)」へ。

・情報があふれているので、目的的なピンポイントのオーダーが増加し、受講コマ数が少なく、在籍期間が短くなってきている。

・中学不登校⇒通信制高校不登校によって多重の挫折感を持った人など、状況やオーダーが厳しい方の問い合わせの割合が激増している。
 → 大学生講師で対応できない人が増えており、スタッフのOJTによる成長が困難になり、スタッフ育成サイクルが回りにくい。

【 2023年ごろの本人周りの状況】

・通信制高校が一般化したことで積極的に通信制高校を選ぶ動きも出来てきて、不登校や中退の人も動きやすくなった。
 → 塾に行けるかどうかの試金石でTOB塾を使い、その後友達がいる普通の塾や予備校などへ移籍するケースが増えた。

・無料で得られるものが増えた(通信制や高認の情報、学習系の動画、無料塾、SNSでの繋がりなど民間、個人レベルのものから、適応指導教室や不登校特例校、学校内居場所、別室登校など行政的なものなど)ため、高認などは自力で進められる人も増えた。

・一方、目的的(「高卒」「高認」「大学入試」「資格試験」)になってしまったため、目の前の要素を揃えることは出来るが、人間的な成長を同時に求めないと、先に進んでもうまくいかないことが目に付くようになった。

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上記の状況から団体の存続を考えてみると、以下のような取り組みが考えられます。

【団体存続のために】
  1. 小学生へ対象を広げる。
  2. 通信制高校のサポート校を併設させる。
  3. 一般の学習へ対象を広げる。
  4. 新しい取り組みや成果などのニュースを作って広報に励む。
  5. 人間学的な価値観を広げる。

「中退しても人生は終わらない」「制度の外側でできることを」を掲げて立ち上げている団体としては、①・②・③には少し違和感があります。
④は今それをしっかりやれる人員の余裕がなく、
⑤は一番やりたいところだけど超ハードル高い(世の中にあまりない形。と言うか同じようなことをやっているところはオンラインサロン的なやり方になる)ので、ちゃんとやろうとすると④と同じように手が足りない状態です。

本人たちの選択肢が増えていることや、不登校や中退を気にしないでも次の一歩を選べることはとても良いことです。一方で、光が強くなれば闇が濃くなる世の常で、光が当たらないところにいる人達にどうやってアプローチできるのか。

はてさて、new-lookに何ができるのか、引き続き考えて行きます。
良ければ、アイデアやご支援、ご意見ご感想などなどお寄せいただけますと嬉しいです。

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